デジタル・カメラの普及で以前に比べてカメラを持ってダイビングをするダイバーの数が急激に増えています。
ダイビングそのものではなくて水中写真が好きで、ダイビングは単なるその手段だと考えている方も多いのではないでしょうか?
そんな「フォト派」と呼ばれる方々の中にも様々な趣向があるようです。
- 生き物そのものよりも背景となる環境の色合いにこだわっている方
- 生き物の豊かな表情を捉えたいと考えている方
- 生き物の体そのものの美しさを引き出す事に重点を置いている方
- 細かいものよりも青い海と美しい海中景観を被写体にする方
etc…
様々な感性を持った方が、様々な趣向をもって水中写真に取り組んでいるわけですが、すべてのフォト派に共通するのは、「綺麗な写真を撮りたい!」、「満足のいく写真を撮りたい!」という事でしょう。
そのためには十分な潜水時間とあまり動き回らないダイビング・スタイルが必須となります。
こうした欲求はフォト派なら誰もが持っているものだと思います。
そうした思いにできる限り応えていきたいと思っています。
NATURE PHOTOGRAPHY —
フォト派にとって海は極上のフォト・フィールドであることは確かなのですが、そこで見る生き物や景観を街中の人工的な被写体と同じように考え、振舞っている方はいませんか?
水中写真は生きた自然を相手にするNature photography(自然写真)であり、特に生き物を絡めたものはWildlife photography(野生動物写真)でもあります。
水中で出会う被写体は街中の人工的な被写体と同じように”美的な作品のための被写体”であると同時に、普段は人間に干渉を受けることなく暮らす生き物たちです。
なので、いつでも十分な観察を伴ったものである必要があると思うし、そうすることでより一層素晴らしい写真が生まれるものだと信じています。
生き物を単なる被写体だと思わず、観察対象として敬意を払って付き合うようにするとより水中写真が楽しくなるのではないでしょうか。。。?
まずは観察。
これが重要だと思います。
「見る」から「観る」へ —
昔から自然観察にはフィールドノートと共にカメラは必須でした。
写真を撮ることが主目的ではなく、ましてや”美的な作品”を撮ることが目的ではないのですが、植物や昆虫、鳥など生物の観察が好きな方たちの中には記録道具として、カメラを持っているフィールドに入る方が多く見受けられました。
分類と生態 —
「この魚は何という魚だろう?」
名前を知りたい!という欲求は多くの方が持っている感覚だと思います。
ガイド仲間の間では「~属の一種」ではその魚に対する興味も薄れてしまう。。。ともっともらしい事が言われていたりします。
一方で棘の数や鱗の数、ヒレに微小な点があるか?ないか?などというレベルで見分けるようになると、「そこまでの細かい分類には興味がないから。。。(^^;)」という方がいます。
確かに僕も形質や斑紋だけを細かく見て分類していく行為にはあまり興味はなく、面白味も感じません。
でも自分のフィールドに棲む生き物のすべてを把握し、生物相を把握するために「これとこれは同じ種類の魚」、「これとこれは別の種類の魚」というように、名前は分からなくてもその種類の存在だけは認め、しっかり見分けてあげたいと考えています。
屋久島の海に住む生き物をすべて把握する。。。これが僕のライフワークだと考えているからです。
では面白さを維持したまま、どのように分類していくのかというと、それは生態や社会行動で見分けるのです。
これなら例え名前が分からなくても(名前を知る必要もなく)、楽しく分類ができるのです。
むしろ、これは実際に海に入って実物を見る事ができる僕らダイバーだけの特権であって(形質や遺伝子などでの分類は机の上でもできる)、それをやらずに形質で見ようとするのはもったいない。
そういうのはプロの学者さんに任せて、僕らはもっと面白く、ダイバーにしかできないような方法で分類しましょう。
よくよく考えてみると、生物は「生き物」なのだから生態や社会行動で見分けていくのは、至って自然の事なのかもしれません。
「分類」は「生態&社会行動」と切っても切り離せない関係にあるのだと思います。














