屋久島のダイビング・ポイント

Diving in Yakushima is.
Information—

世界遺産に登録されている森に比べ、屋久島の海はこれまであまりよく知られていませんでした。
アクセスの問題、海情報・ダイビング情報の少なさ、あまりにも大きすぎる陸上のネームバリューetc…様々な原因が考えられます。
にも関わらず、僕がこの島をフィールドに選んだ理由をこの海域の特徴と合わせてお話します。

屋久島の海は大きく分けて3つの特徴があります。

Specification—

屋久島の海を語る上で避けては通れないのが「黒潮」の存在です。
黒潮は台湾から八重山や沖縄、奄美などの琉球列島を避けるようにして東シナ海を北上し、トカラ列島を経て、屋久島付近から太平洋に流れ込みます。

つまり屋久島は台湾以南から琉球列島を経ずにダイレクトに生物が流れ込むので、これまで沖縄や奄美でも稀とされるような種類が急に現れたり、普通種として君臨していたりします。

また、屋久島は黒潮が東シナ海から太平洋に流れ込む重要な中継点に位置しており、屋久島近海は太平洋岸に魚を流す供給地となります。
温帯域で無効分散する魚(死滅回遊魚)の多くは、台湾方面から流れてきた後、一度屋久島の辺りで着底し、この辺りの海域から再生産されたものが流れてきていると考えられます。

屋久島近海は日本の太平洋沿岸の各海域で見られる魚たちの故郷とも言える場所なのです。

Credits—

屋久島の周辺には生物の様々な分布境界線が存在します。
屋久島・種子島と九州の間には「三宅線」という昆虫の分布境界線があったり、屋久島を含む薩南諸島と奄美群島の間には有名な「渡瀬線」があり、この線を南限や北限とする動植物は数多いようです。
このように薩南諸島・トカラ列島は様々な動植物の分布の境界にあり、これは海の中でも言える事だと思います。

亜熱帯域で見られるほとんどの魚は屋久島でも普通に見られ繁殖もしており、ここを北限とする種が多いと思われます。
その一方で、沖縄諸島ではめったに見れない温帯種も普通に見られるので、他の地域では見られないような温帯種と亜熱帯種が混泳する不思議な光景も見られます。

また、こうした分布の境界となるような海域では、似た種類同士の交雑も起こりやすく、雑種や変異も生まれやすいようです。

進化は突然変異と自然選択から起こります。

種の多様性のみならず、遺伝的多様性も豊かな海。
それが屋久島の海なのです。


Photo info. —

アユの産卵 / 11-12月

  1. ① 卵を産むメスの両側からオス2匹が放精
  2. ②③ 産卵の瞬間にはどさくさに紛れて放精するオスや卵を食べるために沢山のアユが後ろから雪崩れ込んでくる
  3. ④ 産卵から間もない卵塊 / 卵は砂に塗して産みつけられる
  4. ⑤ 産卵10日後くらいの孵化寸前の卵 / 卵には目玉も見られる
  5. ⑥⑦ 夕方の日没30分前くらいから激しさが増す



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